佐久市で作られるお味噌は、佐久高原でとれた厳選された大豆と、佐久産のお米を使うことで、深いコクとまろやかな味を醸し出します。そのなかでも信州味噌発祥の地と言われている安養寺周辺でつくられた「安養寺味噌」と、望月地区でつくられた「雁喰味噌」は佐久市を代表ご当地グルメで使用されています。今回は、味噌でつながる2つのご当地グルメ「安養寺らーめん」と「駒月みそかつ丼」をご紹介!

信州味噌発祥の地で生まれたご当地ラーメン【安養寺ら~めん】(取材先:麺匠 佐蔵)

安養寺ら~めん開発の発起人の1人でもあり、安養寺ら~めん会の会長、麺匠佐蔵の金子さんにお話しをお伺いしました。

金子さん

—安養寺?ら~めん?お寺とらーめんの関係は?

信州味噌は全国に誇るブランド味噌として知られていますが、その発祥の地と言われているのが佐久市の古刹・安養寺です。

安養寺は鎌倉時代の僧・覚心の遺志で開山したお寺で、覚心は中国で醸造技術を伝授され、帰国後味噌づくりを各地に広めたと伝えられています。中でも佐久地方は味噌の醸造に最適な環境にあったため広く民衆に伝わったと言われています。 このような歴史的背景を持つ安養寺の圃場・佐久平一帯で取れた原料を使用した味噌を、嘉永6年(1853年)より続く佐久の老舗味噌蔵「和泉屋商店」が醸造しています。

この特色ある地域の特産品を使って佐久の新しいご当地グルメを作れないかと佐久商工会議所と市内ラーメン店の有志“安養寺ら〜めん会”が立ち上がりました。2008年に誕生して以来、全国の有名店が出店するラーメンショーに出場させていだくなど、全国的にも安養寺ら〜めんを認知していただいています。

—安養寺ら~めんの特徴を教えてください

現在安養寺ら〜めんを取り扱う店は市内に17店ありますが、“安養寺ら〜めんの味噌だれには安養寺味噌を8割使うこと”を約束事としています。熟成期間が2年以上と通常の味噌よりも熟成が長く、塩分の尖りがなくまろやな味わいの安養寺味噌の特徴を最大限に生かすためこのルールは厳守されています。 これ以外は各店自由で、それぞれのお店の特色を生かしたスープや野菜たっぷりなトッピング、佐久の特産がのった安養寺ら〜めんなど、お店ごとのアイディアが織り込まれた安養寺ら〜めんを味わうことができます。

お客様にとって1店だけではなく、様々なお店を巡る楽しみもあり、かえってこの自由さが良かったのではと思っています。過去にもスタンプラリーを実施したりと食によるエンターテイメントを演出する取り組みを行い、多くの方に多種多様な安養寺ら〜めんを知っていただくきっかけとなりました。

—いろいろな取り組みをされていますね。

2019年には安養寺ら~めん会では、信州味噌発祥の地・佐久を広げるため、安養寺味噌に、酢や醤油、豆板醤などを加え、発酵の力を生かして出来上がった安養寺餃子のタレを開発しました。

今年はコロナの影響もある中、休校中のお子さまのお昼ごはんの悩みを解決すべく3月に安養寺ら〜めん会の有志でお子さま100円ラーメンを実施しました。大変反響があり、全国放送での電話取材を受けたり、お子さまを持つ方から感謝の声をいただきました。(現在実施店は麺匠佐蔵のみ)

また、現在安養寺ら〜めん会の有志ではテイクアウトにも力を入れています。つけ麺やギョーザ、家では作るのに手間がかかるチャーシューを丼にしたりと様々なアイディアでお家ご飯を盛り上げたいと考えています。お店の味をそのままに、麺とスープをセットにしたお家で仕上げる“ご自宅用らーめん”も誕生し、取扱をしている店舗もあります。今は、とにかく様々な知恵を出し、それを挑戦する時なのではと考えています。まだまだコロナ終息の兆しが見られない中ですが、今だから見えること、浮かぶアイディアもあるのではないかと思います。 もちろん●席数を減らす●仕切りの設置●アルコール消毒●換気●マスクの着用等の対策は講じていますので、安心してご来店いただけます。

~安養寺ら~めん会会員店~
・麺や天鳳
・文蔵BLACK
・麺処 八峰
・麺匠 佐蔵
・佐久平ハイウェイショップ(下り店)
・中国料理 桃花
・お食事処 とろろ亭
・食道園
・のぞみサンピア佐久 湯上り味処のぞみ
・佐久平駅 コスモスカフェ
・食堂居酒屋 愛に恋
・とんちき麺(アムアムビレッジ内)
・食材工房 光志亭
・サニーカントリークラブ
・麺心 風見鶏

・らーめん 麺三
・肉と魚と酒 かるねや

幻の豆で作った味噌を使った望月のご当地グルメ【駒月みそかつ丼】(取材先:ふじた食堂)

中山道望月宿、駒月みそかつ丼の会のふじた食堂の藤田さんにお話をお伺いしました。

藤田さん

—駒月みそかつ丼に欠かせない「雁喰みそ」とは?

駒月みそかつ丼を語る上で外せないのが「雁喰豆」。雁喰豆というのは江戸時代から望月地方で作られていた黒豆の一種で、近年ではごく一部でしか作られていないという幻の食材です。雁喰豆の由来は、豆の表面のシワが雁の爪痕のようにもついばんだような跡のようにも見えることからこの名ががついたとも言われています。お正月などのお祝い事にも食べられることも多く「座禅豆」という名で、縁起物として高級料亭でも使われることがあるようです。

望月春日の東春睦会の皆さんがこの稀少な豆を復活させ、さらには原料として使ったみそ「雁喰みそ」を丹精込めて作り上げました。黒豆の皮を使うことでポリフェノールがたっぷりと含まれた、まろやかで甘みのあるバランスの取れたみそです。この幻の豆から作られた稀少なみそを使ってご当地グルメを開発できないかと、望月の10軒の飲食店から駒月みそかつ丼が誕生しました。

—駒月みそかつ丼について教えてください。

駒月みそかつ丼をお客様に提供するのに決まり事は3つ。1つ目は「みそだれに【雁喰みそ】を使うこと」、2つ目は「豚肉は国産ロース肉が基本」、3つ目は「付け合わせの野菜は可能な限り、旬の望月産のものを使うこと」。地産地消を心がけ、お客様に地域のものを召し上がっていただく、このことを信条にみそカツ丼を作っています。みそだれについては、【雁喰みそ】を使うこと以外は各店オリジナルですが、どの店も雁食みその味を引き立てるために研究を重ねています。

ちなみに当店のみそかつ丼はトロっとしたソースが特徴で、見たところボリュームがあるのにさっぱりとしているとお客様から質問をいただくのですが、実はみそのほかにソースに4種類もの野菜を入れているんです。みそに野菜をペースト状にしたものを混ぜ合わせ、1週間寝かすことで角がとれたまろやかなみそだれに仕上がります。厚みのあるカツに手間暇かけて作った特製みそだれ、そこへアクセントの長野県安曇野産のワサビ、さらには駒月(満月)をイメージした温泉たまご、地元の季節の野菜をたっぷり添えてお出しするのが当店のみそかつ丼の特徴。

また、駒月みそかつ丼の会はレストランやそば屋、和食屋と会員さんも多種多様。だから駒月みそかつ丼も多種多様で、各店それぞれの駒月みそカツ丼の味が楽しめますよ。ちなみに、望月地区の小学校ではみそかつが給食で出されるようです。地域の味として自分たちが開発したものが地元で定着をしていることに嬉しく思いますね。

—コロナ禍の今、思うことはありますか?

当店には昔からバイク好きな常連さんが全国にたくさんいらして、遠くは九州圏・関西圏等からも来店してくださいます。昼食後、「お昼営業も終わったからパラボラアンテナまで行こう」といった具合に常連さんをお誘いして佐久市を案内することもあり、結構佐久市に通じている方も大勢いらっしゃるんですよ。
2019年の台風の時には、佐久市の災害を心配して足を運んでくれて佐久で買い物をしてくれたり、さらには募金をしてくださった方もいます。人想いな常連さんたちに恵まれて感謝していますが、今回のコロナ禍でもまたまた常連さんの心遣いに直面し、相手を想う人の有りがたさを実感しています。十分に健康管理に注意した上で佐久に来てくれた常連さんが、県外ナンバーの自分たちがお店に行くことでかえってお店の迷惑になってしまうのではないかという心配から、お店には入らないようにと電話でテイクアウトでお弁当をご依頼してくださったことがあります。こうやってテイクアウトをご利用していただく常連さんの思いやりと粋さに人の温かさを感じています。
今の状況は県をまたぐ往来がしづらい時期ですが、1日も早くこの状況から脱却し、また気軽に常連さんたちが佐久の特産物や景色を楽しみに佐久市に遊びに来られる日を待ち望むばかりです。

~駒月みそかつ丼の会会員店~★はテイクアウト可能店
・天船★
・青木荘
・ドライブイン駒の里
・あけぼのや★
・錦食堂
・こまがた
・ふじた食堂★
・久弥★
・ラ・フェスタ★
・伊勢屋